なぜ地域は観光に力を入れるのか?お金の流れから考えてみよう

地方創生

思ったことはないだろうか? 観光に力を入れるくらいなら市民のための活動をしてくれよと。

私は何度そう思ったことか(笑)

ただし、これは全くの見当違いだったことが今ならわかる。実は、市民のためにも地方は観光に力を入れなくてはならないのだ。

このことは、お金の仕組み・流れに着目すると最もわかりやすいから紹介する。

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十和田市DMOの発足

今回十和田市では、一般社団法人「十和田奥入瀬観光機構」が発足された。始動は31年の4月1日からだ。

DMOとは

そもそもDMOとはどういったものなのか。それは、

D(デスティネーション=観光地)を

M(マーケティングし、マネジメント)する

O(オーガニゼーション=組織)

の略称で、観光地としての価値を高めるように戦略を考えたり、観光づくりを推進したりする組織のこと。

これまでの観光推進活動との違いはマーケティング

新しく十和田版のDMOが発足されたと言われても、これまでと何が違うのって思わない? 名前が変わっただけじゃんと(笑)

まあまだ活動が始まっていないからどうなるかは分からないけれど(もしかしたら本当に名前を変えただけになるかもしれないが)、一つだけ言えることがある。それは、マーケティングを理解し正しく実行できたなら、今までよりは確実に成果が出るということだ。

これは、営業の仕事をしていた時に、マーケティングを学び実行した結果、売上と効率が上昇した僕自身の経験から分かってることだ。マーケティングの理解度がそのまま活動の成否をわけると言っても良いだろう。

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観光に力を入れる入れる理由としてのお金の流れ

それではなぜ、新しい組織を作ってまで、観光に力を入れているのか。

その答えはお金の流れに関係がある。

十和田市からのお金の流出

仮に十和田市で流通しているお金が全部で1億円だったとしよう。

あなた、何にお金を使ってる? ネット通販だったり、下田に行って買い物したりと様々だろう。そうするとどうなるかというと、十和田市で流通しているお金が他の地域に流れることになる。

つまり、十和田市のお金が1億円から8000万円くらいに減る。しかし、他の地域の人たちが十和田に来てお金を使うこともある。そうすると、市で流通しているお金が8000万円から9000万円になる。

まず、この流れを理解すれば、他の地域から回ってくるお金が出ていくお金より多い方が良いことが分かるだろう。

十和田市でのみお金を使った場合

次に考えるのは、じゃあ十和田市でだけお金を使えば良いんじゃないの? ということ。実現する可能性はほとんどないが思考実験としては有効かと思う。

十和田でお金を消費し、それが給料となって自分にもどってくる。そうすれば、他の地域にお金が流れていかないから一見問題がないように見えるだろうけれど、それも違う。

税金や社会保障の問題がある。市民が払った税金等がそのままその市に使われるのならこの方法も可能だが、現実はそうなっていない。

※わかりやすくするために、個人の消費にのみ着目したが、実際は企業の取引など様々な要因も関係している。

お金の流れから考える地方ができること

以上のことから、他の地域から十和田市の場所・人・物にお金を使ってくれる人を集めることが有効だとわかる。

そのための対策の一つとして観光地としての価値の向上がある。

十和田市で流通するお金が1億円の時と5000万円の時では、もちろんあなたの貰える給料だって半分になるという違いが理論的にはおきてしまう。逆もまたしかりで、十和田市のお金が増えれば、あなたの使えるお金も増えるというわけだ。

だからこそ、観光に力を入れることが結果として、市民の生活の向上にも繋がる。

もしあなたが十和田市の未来を憂いたのなら、たまに外食では、ファミレス等を使用せず十和田に本店のある店か個人のお店に行こう。もしかしたら、新しい発見や出会いがあることでしょう。そのためのお店をいつかこのブログで紹介していこうと思う。

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地方創生

Posted by アレッサンドロ・G・マオ